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47話 寂しさの罠


寂しさが募ると、女は寂しさを不満に変えてしまう。
そして、大切な人にやっと会えたときに、
今みたいに溜まっていた不満をぶつけて仲を壊してしまうのだ。
私が言いたいことはこんなことじゃない。
もっと自分の思いをちゃんと伝えなきゃ。

「怖かったの」と私は言った。
「メールの返事がこないのに、私から会いたいって言ったりしたら、
面倒でウザい女だと思われそうで……怖かったの。
だから週末は、ずっと浩之さんからの返事を待ってたんだよ。
今日、浩之さんからメールがきて、すごく嬉しかった」
自分でも驚くくらい自然に、素直な気持ちを言葉にできた。

そのとたん、浩之さんの表情が柔らかくなった。
やっぱり、これまで浩之さんを怒らせていたのは、私だったんだ。
浩之さんは付き合い始めのころのような優しいほほ笑みを浮かべ、
私にキスをしてきた。
慣れた手つきで、服のボタンが外されていく。
私はまだ酔っていないせいか、急に恥ずかしさがこみ上げてきて、
「待って。シャワーを浴びさせて」と彼の手を止めた。

急いで汗を流してリビングに戻ると、
浩之さんがハッとした顔で私を見た。
その手には、私の携帯が握られている——。
「何で私の携帯を見てるの?」
天野詩織(29歳)
繊維メーカーの事務職。恋愛に臆病でなかなか一歩を踏み出せない。
堤 浩之(36歳)
営業職。詩織が社内で見かけ、ひと目惚れした相手。
竹下陽向(27歳)
取引先のアパレルメーカーに勤務している。自然に話せて、安らげる相手。
本田叶絵(29歳)
詩織の同僚。明るく活発なタイプで、詩織の背中を押そうとしてくれる。

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