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46話 メールじゃダメ


やっぱり食欲がないのでラーメンは断った。
ソファに並んでビールを飲んでいると、
「週末は何してた?」と浩之さんの方から聞いてきた。
「経済の本を読んで勉強してたよ」
「マジで?」
「浩之さんは?」
「オレはジムに行ったり、部屋の掃除したり」
え、なにか予定があったわけじゃなかったの?

「じゃあ、なんで連絡くれなかったの?」
ひとりの週末の寂しさを思い出したら、
つい責めるような口調になってしまった。
「なんでって……。詩織だって、メールよこさなかったろ」
「その前にたくさんメールしたのに、返事がこないから……」
「あのときはメールする気分じゃなかったんだよ」
「なにそれ? 気が向かなきゃ無視していいってこと?」
浩之さんの眉間がピクリと動いた。
しまった。またキツイ言い方をしてしまった。
この間もこうやって浩之さんを怒らせてしまったんだった。
「お前さ、メールで謝ればそれでいいって、違くない?
そういうのって、会って、顔見ながら言うべきだろ?
だから週末は、詩織から『会って謝りたい』って言ってくると
期待して待ってたんだよ。なのに、こないからさ」

浩之さんに言われて、また、自分の浅はかさを後悔した。
天野詩織(29歳)
繊維メーカーの事務職。恋愛に臆病でなかなか一歩を踏み出せない。
堤 浩之(36歳)
営業職。詩織が社内で見かけ、ひと目惚れした相手。
竹下陽向(27歳)
取引先のアパレルメーカーに勤務している。自然に話せて、安らげる相手。
本田叶絵(29歳)
詩織の同僚。明るく活発なタイプで、詩織の背中を押そうとしてくれる。

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