お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

41話 別れるはずが


浩之さんは私にカサを差し出しながら言った。
「もしかしてそれ、オレへのプレゼント?」
「あ……うん」
「なんだよ。話があるって、そのことだったのかー」
違う、と言いそびれた。
浩之さんがあまりにも嬉しそうで。
それから、浩之さんは昨日のフットサルでの活躍を話し始めた。
私が口を挟む隙もないまま、浩之さんのトークが続いた。

部屋に着くと、すぐに浩之さんはビームスの袋を開けた。
「お、いいね」
そして着ていたTシャツを脱いで、私が選んだシャツに着替えた。 
カッコいい……と思った。
ブルーのストライプが浩之さんのクールさを引き立たせて、
細身のラインが鍛え抜かれたカラダを強調している。
見とれていると、浩之さんが「サンキュ」と言ってキスをしてきた。
これまで心に積もっていた怒りや寂しさが溶けていく。
そのまま私たちはシャワーも浴びずに抱き合った。

ダメ、やっぱり私はこの人が好き……。
別れるなんて、できない……。

すべてが果てた後、幸せな余韻だけが残った。
さっきまで別れることを考えていたのが嘘みたい。
そう思ったのに、信じられない言葉が耳に飛び込んできた。
「用は済んだろ? もう帰れよ」
天野詩織(29歳)
繊維メーカーの事務職。恋愛に臆病でなかなか一歩を踏み出せない。
堤 浩之(36歳)
営業職。詩織が社内で見かけ、ひと目惚れした相手。
竹下陽向(27歳)
取引先のアパレルメーカーに勤務している。自然に話せて、安らげる相手。
本田叶絵(29歳)
詩織の同僚。明るく活発なタイプで、詩織の背中を押そうとしてくれる。

お役立ち情報[PR]