お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

38話 自分勝手すぎる


浩之さんとのことを、正直に話してしまってもいいのかな?
一瞬、迷ったけれど、よく考えたら男性心理を知るには、
男性に相談するのが1番いいかもしれない。
だって私、浩之さんの気持ちがまったくわからない——。

私は、陽向さんに話した。
浩之さんに突然『帰れ』と言われたこと。
それから『週末は会えない』と言われたこと。
それなのに急に『今から来い』というメールがきたこと。

順を追って話すうちに、だんだん腹が立ってきた。
私が少しでも会いたいと言ったときには、
『疑ってるからじゃないの?』『ウザイ』と切り捨てたくせに。
その浩之さん自身が『男といるんじゃねーの』なんて
私のことを疑っている。
まあ、その疑いはアタリなわけだけど。

話が一通り済んだところで、陽向さんがきっぱりと言った。
「その彼は、やめたほうがいいですよ。自分勝手すぎる」

うすうす感じていたけれど、好きだからと心の奥に
押し込んでいたことが、今、目の前に引き出された。
「やっぱり、そうだよね……」と私はつぶやいた。
いつの間にか、グラスが空いている。
私は3杯目のおかわりを頼んで言った。
「これを飲んだら、彼に別れを伝えに行ってくる」
天野詩織(29歳)
繊維メーカーの事務職。恋愛に臆病でなかなか一歩を踏み出せない。
堤 浩之(36歳)
営業職。詩織が社内で見かけ、ひと目惚れした相手。
竹下陽向(27歳)
取引先のアパレルメーカーに勤務している。自然に話せて、安らげる相手。
本田叶絵(29歳)
詩織の同僚。明るく活発なタイプで、詩織の背中を押そうとしてくれる。

お役立ち情報[PR]