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35話 困った誘い


陽向さんの誘いに、心が弾んだ。
昨夜、1人で食べた食事は寂しくて味がしなかった。
1人じゃない、それだけでも嬉しいのに、
陽向さんと一緒にいられると思うと、なんだか嬉しい。

嘘をついた手前、さっきの青いストライプシャツを購入して、
それから2人でオイスターバーに向かった。
私がシャンパンをオーダーすると、陽向さんも真似をした。
「ふだんはビールなんですけど」とかしこまったように言ったのが
初々しく思えて、胸がきゅんとした。

「オレ、大学時代にセレクトショップでバイトしていたんですよ」
「だから洋服のセンスがいいんですね。
お客様が試着して、似合わなかったらなんて言うの?」
「似合わない、とは言えないけど、嘘もつきたくない。
だから、正直に似合うものだけを勧めるようにしてたかな。
こちらの方がお似合いですよ、って。
そうやって正直な対応を積み重ねることで、
逆に指名してもらえるようになることが多かったですよ」
陽向さんの笑顔は優しくて、ナチュラルで、
いい人なのだということがダイレクトに伝わってくる。
浩之さんのことで嘘をついた自分が恥ずかしくなった。

2杯目に白ワインをオーダーして、トイレに立った。
携帯を見ると、浩之さんからメールが届いていた。
『用事が終わった。今からうちに来いよ』
えっ、今から!?
天野詩織(29歳)
繊維メーカーの事務職。恋愛に臆病でなかなか一歩を踏み出せない。
堤 浩之(36歳)
営業職。詩織が社内で見かけ、ひと目惚れした相手。
竹下陽向(27歳)
取引先のアパレルメーカーに勤務している。自然に話せて、安らげる相手。
本田叶絵(29歳)
詩織の同僚。明るく活発なタイプで、詩織の背中を押そうとしてくれる。

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