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32話 私に飽きたの?


心の奥に、浩之さんを疑う気持ちはあった。
フットサルといいつつ、他の女性とデートするんじゃないかとか。
だって、もし他に好きな人ができたなら、
急に冷たくなってもおかしくない。

だけど、そんなことを正直にメールに書くほど私はバカじゃない。
『疑ってるわけじゃないよ。ちょっとだけでも会いたかったの』
こっちのほうが本心だ。
浩之さんのことが大好きだから、
それに前回は気まずい思いをしたままだったから、
今週はどうしても会いたかったんだ。

『そういうの、ウザイよ』
すぐに返ってきた浩之さんのメールを見て、また心が凍りついた。
なんて冷たい対応なんだろう……。
完全に拒絶された私は、それ以上メールを送れなかった。

日曜日、叶絵がランチに付き合ってくれた。
コリドー街の近くにあるスペインバルで、夜はバーっぽいけど、
昼はとてもおいしいパスタセットを出してくれる。
「やっぱり浩之さんは、もう私のこと好きじゃないのかな?」
「うーん、よくわかんないけど。
釣った魚にエサはやらないってヤツじゃないの?
詩織が惚れてるのわかりきってるから、油断してるっていうか。
ちょうど飽きてくる頃だから、別行動取りたくなったんじゃない?」
飽きてくる、という言葉に傷ついた。でも、そうなのかも。
叶絵は続けて尋ねてきた。
「他の女の気配って、なにかあった?」
天野詩織(29歳)
繊維メーカーの事務職。恋愛に臆病でなかなか一歩を踏み出せない。
堤 浩之(36歳)
営業職。詩織が社内で見かけ、ひと目惚れした相手。
竹下陽向(27歳)
取引先のアパレルメーカーに勤務している。自然に話せて、安らげる相手。
本田叶絵(29歳)
詩織の同僚。明るく活発なタイプで、詩織の背中を押そうとしてくれる。

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