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30話 どうして怒っているの?


私は恐る恐る浩之さんに訪ねた。
「私、なにか気に障るようなこと言った?」
「……別に」
「じゃあ、どうして急に『帰れ』なんて?」
「説明したくない。帰れって言ったら、帰れよ」
浩之さんは私にバッグを突き出し、あごで玄関を指し示した。
本気で言ってるんだ——……心が凍り付く。
冷たい視線から逃げるように、私は玄関を出た。

どうして? どうして急に? 私がなにをしたの?
私、浩之さんに嫌われたの?
頭の中が真っ白で、なにも考えられない。
とぼとぼと夜道を駅に向かううちに、涙があふれてきた。

何度も浩之さんにメールを送った。
きっと私に何か落ち度があって、
気づかないうちに浩之さんを怒らせてしまったんだろう。
浩之さんからは、『怒ってない。1人になりたくなっただけ』
という短い返信がきた。
もしかして、体調が悪かったのかな?
だとすれば、来週になれば、きっとまた仲良くできるはず……。

ところが、金曜の夜に浩之さんにメールを送ると、冷たい返事がきた。
「週末は会えない。用事がある」
ショックすぎて、心が砕けてしまいそう……。
もしかして浩之さんは、このまま別れたいと思ってるの?
天野詩織(29歳)
繊維メーカーの事務職。恋愛に臆病でなかなか一歩を踏み出せない。
堤 浩之(36歳)
営業職。詩織が社内で見かけ、ひと目惚れした相手。
竹下陽向(27歳)
取引先のアパレルメーカーに勤務している。自然に話せて、安らげる相手。
本田叶絵(29歳)
詩織の同僚。明るく活発なタイプで、詩織の背中を押そうとしてくれる。

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