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26話 恥ずかしい指摘


浩之さんと私は、発車時刻ギリギリの新幹線に飛び乗った。
汗をかき、カーディガンを脱いだ私に、浩之さんが言った。
「二の腕、意外と太いね」
ショックと恥ずかしさで硬直した。
腕が太いのは本当のことだけど、まさか大好きな人に
こんなにダイレクトに指摘されてしまうなんて。

浩之さんの体を改めて眺めた。
全体にほどよい筋肉がついていて、たるんだところはひとつもない。
ふいに、この厚い胸とたくましい腕を枕に眠ったことを思い出して、
顔が熱くなった。

浩之さんはちゃんと体を鍛えているみたい。
だからこそ、たるんだ腕は許せないのかも。
嫌われたくないと思った私は、思い付きで言った。
「東京に帰ったら、スポーツジムに通おうかな」
浩之さんは“当然”という表情でうなずいた。
その対応に、私の心はさらに沈んだ。
長い間『女』をサボっていたことを
責められているみたいで、恥ずかしかった。

だけど、次の瞬間、浩之さんが私を抱き寄せたので、
私はまた幸せな気持ちでいっぱいになった。
後から思えば、これが「大変なこと」の始まりだった。

次の試練は、翌週のデートのときにやってきた。
天野詩織(29歳)
繊維メーカーの事務職。恋愛に臆病でなかなか一歩を踏み出せない。
堤 浩之(36歳)
営業職。詩織が社内で見かけ、ひと目惚れした相手。
竹下陽向(27歳)
取引先のアパレルメーカーに勤務している。自然に話せて、安らげる相手。
本田叶絵(29歳)
詩織の同僚。明るく活発なタイプで、詩織の背中を押そうとしてくれる。

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