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21話 付き合っていないのに


浩之さんと旅行——。
想像するだけで、緊張する。
男の人と旅行をしたことがないわけじゃない。
でも、それは恋人どうしになってしばらく経ってからだった。
浩之さんとは付き合っているわけじゃないし、キスもしていない。
数回、食事をしただけの関係なのに、一緒に旅行していいのかな?

叶絵に相談すると、「もうすぐ30の女が、なに言ってるの」
と笑われた。「部屋に誘って断られた、じゃあ次は旅行でって、
ある意味、自然な流れでしょ」
今日のランチは社員食堂じゃなく、近くのイタリアンにして
よかったと思った。会社の人たちの前では、話しにくい話題だもの。
「でも、そういう誘いの前に、ふつうは付き合おうって言うとか、
キスするとか、手をつなぐとか、段階があるんじゃないの?」
「詩織が気にしてるのは、手順を踏んでもらいたいってこと?」
「そこにこだわるわけじゃないけど。
やっぱり最初の食事で部屋に誘われたことが気になってて……」

このまま旅行に行ったら、当然、そういう関係になる。
私はそうなることが嫌なんじゃない。
浩之さんが私に恋愛感情を持っているかどうかわからないまま、
そうなることが怖いんだ。

「つまり、都合のいい女になりそうで怖いってわけね。
だったら、いい解決法があるよ」
天野詩織(29歳)
繊維メーカーの事務職。恋愛に臆病でなかなか一歩を踏み出せない。
堤 浩之(36歳)
営業職。詩織が社内で見かけ、ひと目惚れした相手。
竹下陽向(27歳)
取引先のアパレルメーカーに勤務している。自然に話せて、安らげる相手。
本田叶絵(29歳)
詩織の同僚。明るく活発なタイプで、詩織の背中を押そうとしてくれる。

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