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17話 付き合えるとは限らない


陽向さんにはメールで謝った。
『ごめんなさい。どうしても外せない用事ができてしまって』
“外せない用事”は嘘じゃない。そう思うとなおさら胸が痛んだ。
陽向さんからは『またタイミングの合うときに行きましょう』という
当たりさわりのない返信がきた。

「その年下クン、かわいそう。日程を変えて食事してみたら?」
と叶絵が言った。
「でも、今は私、浩之さんのことで頭がいっぱいで……」
「浩之さんとは食事に行く約束をしただけでしょ?
付き合えるとは限らないし、
会ってみたら好きじゃないって思うかもしれないよ」

そういう叶絵は、今、3人の男性とデートをしている。
「3人とも一長一短だから、なかなか1人に絞れないんだよね。
結婚や出産を意識すると、慎重になっちゃうっていうか。
この人! って確信できるまで、付き合っちゃいけない気がして」
困った顔をする叶絵に、私は言った。
「大好きって思う人と結婚する。そういうんじゃいけないの?」
「それって理想だよね。……私、待ってるんだろうな。
大好きって思える瞬間がくるのを」

ああ、そうか。叶絵もちゃんと人を好きになりたいんだ。
好きになった人と結婚する——シンプルだけど、難しいことなのかも。
だって、浩之さんと結婚するなんて、全然想像できない。

そして、浩之さんと約束した土曜日がやってきた。
天野詩織(29歳)
繊維メーカーの事務職。恋愛に臆病でなかなか一歩を踏み出せない。
堤 浩之(36歳)
営業職。詩織が社内で見かけ、ひと目惚れした相手。
竹下陽向(27歳)
取引先のアパレルメーカーに勤務している。自然に話せて、安らげる相手。
本田叶絵(29歳)
詩織の同僚。明るく活発なタイプで、詩織の背中を押そうとしてくれる。

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