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9話 2人きりのチャンス


教えてくれたのは、叶絵だった。
「営業2課の人たちが、たまたま話していたのを聞いちゃったの。
詩織が気に入っている人、もうすぐ転職するらしいよ」
そんな! 浩之さんが転職なんて……。
「そんなことになったら、本当に接点がなくなっちゃう」
社内でたまに見かけるだけで幸せだったのに。
そんな小さな幸せさえも、もうなくなってしまうんだ。
「この際、思い切って告白してみたら?」
「告白!?」
「同じ会社だと上手くいかなかったときに気まずいけど、
違う会社に行くならいいじゃない」
「ムリ、ムリ、ムリ! 話しかけることさえできないのに、告白なんて」
「もー、いまどき女子高生だって、告白してるよ。
詩織さぁ、もう少し勇気を出さないと、一生ひとりのままかもよ?」

そんなことを言われても、告白なんて考えられない。
迷惑だと思われたらイヤだし。
断られたときのショックを想像したら、
一生ひとりのままでいいとさえ思ってしまう。

浩之さんの転職話を聞いた2日後、
なんとエレベーターで浩之さんと一緒になった。
同じ空間に2人きり。これは神様がくれたラストチャンスだ。
話しかけなくちゃ。
告白するのはムリだけど、世間話くらいならできるはず。
私は勇気を振り絞って、話しかけた。
天野詩織(29歳)
繊維メーカーの事務職。恋愛に臆病でなかなか一歩を踏み出せない。
堤 浩之(36歳)
営業職。詩織が社内で見かけ、ひと目惚れした相手。
竹下陽向(27歳)
取引先のアパレルメーカーに勤務している。自然に話せて、安らげる相手。
本田叶絵(29歳)
詩織の同僚。明るく活発なタイプで、詩織の背中を押そうとしてくれる。

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