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恋人になりたくて-9

周囲の人が一瞬こちらを見て、またそっぽを向いた。
わたしが大きな声を出したから、驚いたんだと思う。

「畑中先生は、朋子と十分上手くいってますよ。
わたしなんか、このまま……何も言えないまま、
高山先生がいなくなってしまうかもしれないのに!」

もちろん周囲の人と同じように、畑中先生も驚いていた。
でも、さすがは先生。女の扱いになれている。
すぐ素に戻った。
「よし。じゃあぼくが高山くんに話をつけてやる」

「え……それはマズいです。きっと高山先生、
わたしのことなんか、何とも思っていないでしょう。
不愉快に思うかもしれないし、困らせてしまうかも……」

「いいじゃない。男なんてちょっとぐらい、
女から困らせてもらいたいモンなんだよ」
「でも……」
「どうせ会えなくなるなら、伝えた方がいいよ。
後から『もしあの時言っておけば』と思っても遅いよ。
大丈夫、そういうのだけは上手いから。任せて」

すごい。日頃まったく頼りにならない畑中先生が、
焼き鳥を焼く煙の中、
この時だけは、ものすごく頼もしく見えた。

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