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恋人になりたくて-5

「それでさ、朋子ってば、すぐ焼きもちを焼くクセに、
ぜんぜんかまってくれないんだよ。
朝もさ『血圧が低いから』とかいって起きてこないし……」

結局、畑中先生はわたしを焼き鳥屋さんに拉致して、
朋子の愚痴を聞かせることに成功した。
もちろん、焼き鳥屋さんに入る前には、わたしから朋子へ
「今日、会社で飲み会があるから」と電話させられた。

「そうなんだ……あ、すみません、
鶏皮3本とつくね2本、あと砂肝3本お願います!」
「麻子ちゃん、3本って……後で誰かくるの?」
「誰も来ませんよ。わたしが2本で畑中先生が1本です」

かくして果てしなく続く畑中先生の愚痴に返事をしながら、
ひたすらグレープフルーツチューハイをあおり、焼き鳥を食べる。
先生は、やたらベラベラしゃべるから、
わたしが焼き鳥を2本食べる間に彼が1本のペースでちょうどいい。

「あ、そう……でね、結局同棲したとかいっても、
向こうは残業で夜遅いでしょ? 朝ぐらいしか顔合わすヒマないの。
なのに起きて来ないなんて、あんまり愛がなさ過ぎるよね」
「はあ」
店内は鳥を焼く煙で白くかすみ、酔っ払いの話し声があたりに響く。
早く酔わないと「わたしってバカみたい」という、
洒落にならない実感が襲ってくるので、急ピッチでお酒を胃に流す。

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