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55話 チャンスの神様


そういえば過去、仕事で電話を受けた時、
立花さんはずいぶん、キツい話し方だったな。
わたしは急にこわくなったけど……
でも出なきゃ。思い切って着信ボタンを押す。

「もしもし、海棠です……」
「立花です。ね、もう一回だけでいいから、
会ってくれません?」
立花さんの声は、少し焦っているようだった。

「あ、あの……怒ってないんですか?」
「何で? だって海棠さんは最初から
『彼がいる』って 正直に話してくれてたでしょ?
だったら、こういう事態は、
ぼくの方が最初から覚悟しないとダメだよね。
でもさ、この先の話は、ちゃんと会ってしようよ」

「そう……ですよね。
メールだけで、なんて失礼でしたね。
ごめんなさい。明日、会っていただけますか」
「ぼくの方こそ、よろしく」

電話を切って、安心のため息が出た。
立花さんは怒ってなかったし、また明日も会える。
でもそれは単に、つらい決心が、
先延ばしになっただけのことなのだけれど。
海棠瑞希(27)
オフィス家具メーカーの営業事務職。趣味はフラワーアレンジメント。
山野 透(29)
大手商社のシステム部に勤務。上司が起業した会社に転職を決意。
立花貴史(31)
医療器具販売会社の経営陣。かなりの美形。
白石由美(25)
瑞希の後輩で同じ会社の営業事務職。
赤羽美也子(27)
フラワーアレンジメントの教室で知り合った友人。
大島洋幸(38)
瑞希の課の上司。瑞希の働きぶりを頼もしく思っている。
山野美代子(56)
透の母。今回の透の起業は寝耳に水で非常にうろたえている。

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