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53話 別れのメール


そうして、透と彼の部屋で話し合った帰り道。
わたしは電車の中で、携帯を見つめながら、
何度もため息をついていた。
立花さんに、なんて言って断ろう?

……本当の気持ちを言えば、
このままずっと、立花さんと付き合い続けたい。

他人から見たらわたしたちは
「浮気」や「二股」の関係に見えると思う。
だけど、一度作り上げた人間関係を壊すのは、
そんなに簡単なことじゃない。
立花さんのことも、本当に好き。
……だけどこのままだと、立花さんに失礼すぎる。

わたしは家に着くまで、ずっと携帯を握っていた。
そうして部屋に入った途端メールの着信音がして、
「きゃっ!」と短い悲鳴を上げた。
「明日だけど……大丈夫?」
立花さんからだ。もう逃げられない。
わたしは自分の心臓の強い鼓動を感じながら
立花さんへ携帯メールを打ち始めた。

「ごめんなさい。彼と話し合って、
やはり2人でやり直すことにしました。
明日はお会いできません。本当にごめんなさい」
海棠瑞希(27)
オフィス家具メーカーの営業事務職。趣味はフラワーアレンジメント。
山野 透(29)
大手商社のシステム部に勤務。上司が起業した会社に転職を決意。
立花貴史(31)
医療器具販売会社の経営陣。かなりの美形。
白石由美(25)
瑞希の後輩で同じ会社の営業事務職。
赤羽美也子(27)
フラワーアレンジメントの教室で知り合った友人。
大島洋幸(38)
瑞希の課の上司。瑞希の働きぶりを頼もしく思っている。
山野美代子(56)
透の母。今回の透の起業は寝耳に水で非常にうろたえている。

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