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52話 愛に迷う時


どうしよう。透をとるのか、それとも立花さんか。
正直、ここまで来てものすごく迷っている。
わたしは大きく一度、深呼吸をした。

「うん、わかった。いつかプロポーズして」

その言葉は、はずみのように口から出た。
たぶん「計算」をすれば立花さんを選ぶのが正解だ。
でも今のわたしは、透と別れるのが怖い。
……理屈じゃないのだ。

それでもわたしの返事を受けて、
表情をパッと明るくし、照れて笑う透が好きだ。
一緒の未来を喜んでくれるのが、わたしもうれしい。

「でも、SEのキャリアを守って新規の子会社に移る、
なんて列記とした理由があるなら、
どうして最初にちゃんと話してくれなかったの?」

「……だって、要はリストラな訳だろう?
そんな負け組入りの話、男としてはしづらいよ。
それより可能性を試すためにベンチャーへ転職
ってことにした方が、前向きな感じでいいと思った」

うそ、そんな理由で?
こんな「勝ち負け」が価値観の人と結婚して、
本当に大丈夫かな。何だか自信なくなってきた。
海棠瑞希(27)
オフィス家具メーカーの営業事務職。趣味はフラワーアレンジメント。
山野 透(29)
大手商社のシステム部に勤務。上司が起業した会社に転職を決意。
立花貴史(31)
医療器具販売会社の経営陣。かなりの美形。
白石由美(25)
瑞希の後輩で同じ会社の営業事務職。
赤羽美也子(27)
フラワーアレンジメントの教室で知り合った友人。
大島洋幸(38)
瑞希の課の上司。瑞希の働きぶりを頼もしく思っている。
山野美代子(56)
透の母。今回の透の起業は寝耳に水で非常にうろたえている。

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