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50話 思いがけない返事


もう、透がわたしのことを好きでなくても、
最後のピリオドは、彼に打ってほしい。
せめてそのくらいの、思いやりとけじめを示して。
でもそんな思いもむなしく、すぐに返事はこない。

わたしはそれ以上の寂しさに耐え切れず、
携帯を置いて、シャワーを浴びにいった。
本当はちゃんとお風呂に入りたかったけど、
今はそんな、心の余裕がない。
お化粧を落とし、熱いシャワーを頭から浴びた。
それだけでも疲れや悲しみが
少しずつだけれど洗い流されていく気がする。
髪と体を洗って、部屋へ戻った。

すると……灯りをつける前にもう、
ベッドの上の携帯に、着信があるのがわかった。
「明日会ってくれ。
できれば、オレの部屋に来てくれるとうれしい」

さっきまで痛んだ胸が、静かに癒されていった。
けれど……。
行って話をするまでは、結末はわからない。
……これが最後になる可能性も十分ある。
それでも透に会いたい自分。情けなくすらある。
わたしは髪を乾かすと、もう何も考えないために、
ベッドに入って無理に目を閉じた。
海棠瑞希(27)
オフィス家具メーカーの営業事務職。趣味はフラワーアレンジメント。
山野 透(29)
大手商社のシステム部に勤務。上司が起業した会社に転職を決意。
立花貴史(31)
医療器具販売会社の経営陣。かなりの美形。
白石由美(25)
瑞希の後輩で同じ会社の営業事務職。
赤羽美也子(27)
フラワーアレンジメントの教室で知り合った友人。
大島洋幸(38)
瑞希の課の上司。瑞希の働きぶりを頼もしく思っている。
山野美代子(56)
透の母。今回の透の起業は寝耳に水で非常にうろたえている。

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