お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

49話 彼に決めてもらおう


なんでだろう。立花さんからのメールを見たら、
ポロポロと涙がこぼれてしまった。
「ダーツバーに行かない?」という、単なる誘いなのに。

でも今この寂しい時に、立花さんからの誘いは、
心の底からうれしかった。
「会いたい」と思ってくれる人がいるだけで、
こんなにも心が満たされるなんて、知らなかった。
なのに、絶望的な気分にもなった。

立花さんをとったら、透とは別れなきゃいけない。
この人との未来を選んだら、透との未来を失う。
当たり前なことなのに、ひどく胸が痛んだ。

わたしは携帯を握り締めたまま、
ベッドの上に座り込んで身じろぎもできないでいた。
握り締めていた携帯が、体温で熱くなっていく。

きっと、今この返事で、すべてが決まる。

胸元が上下するのが自分で見えるくらい呼吸が荒くなる。
そして……ふいにある考えが浮かんだ。
立花さんからのメールを閉じ、透へメールを打つ。

「他の人から、お付き合いを申し込まれたんだ。
もう、受けても問題ないよね」
海棠瑞希(27)
オフィス家具メーカーの営業事務職。趣味はフラワーアレンジメント。
山野 透(29)
大手商社のシステム部に勤務。上司が起業した会社に転職を決意。
立花貴史(31)
医療器具販売会社の経営陣。かなりの美形。
白石由美(25)
瑞希の後輩で同じ会社の営業事務職。
赤羽美也子(27)
フラワーアレンジメントの教室で知り合った友人。
大島洋幸(38)
瑞希の課の上司。瑞希の働きぶりを頼もしく思っている。
山野美代子(56)
透の母。今回の透の起業は寝耳に水で非常にうろたえている。

お役立ち情報[PR]