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47話 恋の不良債権


水曜。フラワーアレンジメント教室ではダリアをいけた。
赤に、白に、黄色に、はじけるように咲く花は、
青い空に映えるだろう、ハツラツとした美しさがある。
花言葉は「華麗」「優雅」そして「不安定」「移り気」。
何もかもが、今の自分の生活や気分そのままな気がした。

終わった後は、美也子とビアホールに入った。
「立花さんとは上手くいってるんだけど、
透からは、メールの返事もぜんぜんなくて。
最近、あまり食べ物が喉を通らないんだ」
今日も、ビールは飲めるのに食べ物は喉を通らない。
美也子は「じゃあ、食べちゃうよ」といいながら、
唐揚げを口に放り込んだ。

「気持ちはわかるけど、そのままで正解じゃない?
不良債権化した男性を抱えて生きるのはたいへんだよ。
この先、結婚して一緒に暮らしていくのに、
どちらがいいかは、考えなくてもわかると思うけど」

「不良債権か。どちらにしろちゃんと話し合いたい。
このままずっと、透の意見ばかりで進んできて、
何の説明もなく終わりって、納得がいかなくて」
「そっか。たしかにきちんとピリオドを打たないと、
次に進みづらいよね」

わたしと美也子は2人、ビールグラスに手をかけ、
同時にため息をついた。
海棠瑞希(27)
オフィス家具メーカーの営業事務職。趣味はフラワーアレンジメント。
山野 透(29)
大手商社のシステム部に勤務。上司が起業した会社に転職を決意。
立花貴史(31)
医療器具販売会社の経営陣。かなりの美形。
白石由美(25)
瑞希の後輩で同じ会社の営業事務職。
赤羽美也子(27)
フラワーアレンジメントの教室で知り合った友人。
大島洋幸(38)
瑞希の課の上司。瑞希の働きぶりを頼もしく思っている。
山野美代子(56)
透の母。今回の透の起業は寝耳に水で非常にうろたえている。

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