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41話 道は二つに分かれて


「最近、彼とよくケンカになっちゃうんですよ」
金曜日のランチタイムに、後輩の白石さんが、
大きなため息を、憂鬱そうについた。
「先のことや将来のことを話題に出すと、
彼、不機嫌になっちゃうんです」

どこも同じ、と思うと、胸がチクリと痛くなった。

「それ、わかるような気がする。
話題が2年後とか3年後のことになると、
相手の話し方が、急に攻撃的になるんだよね」

「そうなんです。それ見ちゃうと、
この彼との結婚ってないか、あっても、
ずいぶん先だろうなあ、って感じます。
でも他の人を探すにしても、出会いはなかなかないし。
とすると、今の彼との結婚を待つしかないのかなって」

「本当に、時間ばかり早く過ぎていくよね」
あいづちを打ちながら、少しぞっとしてしまった。

きっとわたしも、もしこのまま透とダメになった時、
立花さん以外の男性に巡り会うのは、むずかしいだろうな。
立花さんのことは、好きだから会いたいのだけれど、
やはり美也子の言う通り“キープするべき”なのかも。
それも打算的で、好きな考え方じゃないんだけれど……。
海棠瑞希(27)
オフィス家具メーカーの営業事務職。趣味はフラワーアレンジメント。
山野 透(29)
大手商社のシステム部に勤務。上司が起業した会社に転職を決意。
立花貴史(31)
医療器具販売会社の経営陣。かなりの美形。
白石由美(25)
瑞希の後輩で同じ会社の営業事務職。
赤羽美也子(27)
フラワーアレンジメントの教室で知り合った友人。
大島洋幸(38)
瑞希の課の上司。瑞希の働きぶりを頼もしく思っている。
山野美代子(56)
透の母。今回の透の起業は寝耳に水で非常にうろたえている。

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