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37話 すれ違い


透はしばらく、何かいいたそうにしながらも、
口を開かなかった。
わたしは苦笑しながらいった。

「2人なら、どんな困難も乗り越えてみせる
……って言えたらカッコいいんだけどね。
でも将来のことを本気で考えると、
そんなきれいごというのも、無責任な気がして」

透は静かに目を伏せた。それからも、
肩にずっしりくる沈黙に耐えながら待っていると、
大きなため息の後、彼はいった。
「……瑞希がラクをしたいとか、
商社マンのお嫁さんになりたいとかで、
転職に反対してるんじゃないのはよくわかった」

今度は、わたしがため息をつく。
そんなレベルの低い女だと思われていたなんて。
「うん。そんな話じゃない。
それにわたし、反対なんかしてないよ。
ただ、事前に相談して欲しかっただけ」

「相談するってことは……ダメって言われる
可能性があるってことだろ」
透はすでに、かなりふてくされている。
海棠瑞希(27)
オフィス家具メーカーの営業事務職。趣味はフラワーアレンジメント。
山野 透(29)
大手商社のシステム部に勤務。上司が起業した会社に転職を決意。
立花貴史(31)
医療器具販売会社の経営陣。かなりの美形。
白石由美(25)
瑞希の後輩で同じ会社の営業事務職。
赤羽美也子(27)
フラワーアレンジメントの教室で知り合った友人。
大島洋幸(38)
瑞希の課の上司。瑞希の働きぶりを頼もしく思っている。
山野美代子(56)
透の母。今回の透の起業は寝耳に水で非常にうろたえている。

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