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34話 もう一度会いたい


課長から、営業職をすすめられて、
それからはずっと自分の将来について、考え続けた。
実はわたしは、社会人になってからずっと、
“人生の節目”みたいな感覚がなくて、
妙に落ち着かない気分ですごしていた。
学生時代は、進学や進級がある。でも社会人は、転職や
キャリアチェンジでもしない限り、節目を感じづらい。
その平坦さが「この先どうなるの?」と、
軽い不安を連れてくるような、そんな気がしていた。

でも女子は結婚や出産があるから、それでいいのかも、
とも思っていた。
それは“王子様が迎えにくる”みたいな、
お粗末な妄想とは違うけれど、
でも最後は「女の幸せ」的なものがゴールかな?
と漠然と考えていたのだ。

だけど今回の打診を受けて、社会人の節目は、
そんな単純じゃないことに気づく。
昇進、転職、結婚、出産、いろいろあるけれど、
おそらくすべての節目は自分で作るものなのだ。
そう思ったらなぜか、気持ちが冴えてきた。

そんな週も明け、土曜のお昼に透からメールがきた。
「急で悪いけれど、今から会えない?」
なんだろう。最近はずっと、頑なな態度だったのに……。
海棠瑞希(27)
オフィス家具メーカーの営業事務職。趣味はフラワーアレンジメント。
山野 透(29)
大手商社のシステム部に勤務。上司が起業した会社に転職を決意。
立花貴史(31)
医療器具販売会社の経営陣。かなりの美形。
白石由美(25)
瑞希の後輩で同じ会社の営業事務職。
赤羽美也子(27)
フラワーアレンジメントの教室で知り合った友人。
大島洋幸(38)
瑞希の課の上司。瑞希の働きぶりを頼もしく思っている。
山野美代子(56)
透の母。今回の透の起業は寝耳に水で非常にうろたえている。

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