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31話 彼のママから


恋人と上手くいかないだけで、まるで元気が出ない。
これじゃいけないと思いつつ、
土曜日に引き続き日曜の朝も、部屋でぼんやりしていた。
そんな時、携帯に着信があり、わたしは飛び上がった。
山野美代子……透のおかあさんだ!
いったい何があったかと、あわてて電話に出る。

「あら瑞希さん、おひさしぶり。元気にしてる?
しばらくお話をしてもいいかしら」
「はい、大丈夫です」
「透ったら、突然商社を辞めるなんて言い出して。
わたしは転職なんてとんでもないっていったのに、
あの子、まるきり耳を貸さないし、何も話さないの。
瑞希さん、何か透から詳しいこと聞いてない?」
ひさしぶりに話す透のおかあさんは、
以前よりひどく早口になっていた。
今、少しパニックに陥っているのかもしれない。

「いえ。わたしも辞める話は聞きましたが、
詳しいことは、あまり……」
「そうなの。まったくあの子も困ったものね。
……それにしても瑞希さん、婚約者のあなたに、
退職の相談がないって、どうなのかしら。
わたしがいうことじゃないかもしれないけれど、
あなたたち、信頼関係はきちんと築けてるの?」

わたしはお母様に、今最も痛いところを突かれ、
携帯を握り締めたまま返す言葉もなかった。
海棠瑞希(27)
オフィス家具メーカーの営業事務職。趣味はフラワーアレンジメント。
山野 透(29)
大手商社のシステム部に勤務。上司が起業した会社に転職を決意。
立花貴史(31)
医療器具販売会社の経営陣。かなりの美形。
白石由美(25)
瑞希の後輩で同じ会社の営業事務職。
赤羽美也子(27)
フラワーアレンジメントの教室で知り合った友人。
大島洋幸(38)
瑞希の課の上司。瑞希の働きぶりを頼もしく思っている。
山野美代子(56)
透の母。今回の透の起業は寝耳に水で非常にうろたえている。

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