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30話 風前の灯火


「少し考えさせてくれ」って、いったい何を?
立花さんが、本当にうちの会社の取引先かどうか、
考えたらわかるんだろうか……そんなバカな。
要するに、彼がわたしを信じられるまで、
透の気持ちが治まるまで待ってくれ、
ということなのだろう。再び怒りがよみがえる。

「透が信じようが信じまいが、取引先の人だよ」
これも本当のことだ。
もし仮に、立花さんとの食事が100%仕事なら
……うーん、それは正直、微妙だと思うけれど。
わたしはやっぱり、透を裏切っているのかしら?
この関係、もう終わるのかな?

そう思うと、突然とても悲しくなってきた。
と同時に、透との思い出がよみがえる。
大学3年の時、就職活動が元で知り合ったこと。
新人の頃は、おたがいのスケジュールが合わず、
ケンカばかりしていたこと。
そんな不安定な時期を乗り越えて、
一生そばにいたいと思える楽しい日々が、
やっと最近続くようになったのに。

持っていた携帯をかすめて、
着ていたワンピースにポタポタと涙が落ちた。
わたしはやはり、透と別れたくないみたいだ。
海棠瑞希(27)
オフィス家具メーカーの営業事務職。趣味はフラワーアレンジメント。
山野 透(29)
大手商社のシステム部に勤務。上司が起業した会社に転職を決意。
立花貴史(31)
医療器具販売会社の経営陣。かなりの美形。
白石由美(25)
瑞希の後輩で同じ会社の営業事務職。
赤羽美也子(27)
フラワーアレンジメントの教室で知り合った友人。
大島洋幸(38)
瑞希の課の上司。瑞希の働きぶりを頼もしく思っている。
山野美代子(56)
透の母。今回の透の起業は寝耳に水で非常にうろたえている。

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