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29話 それでも信じて


「信じられない」というメールの返事に、
わたしは凍りついた。
だけど、すぐに怒りがこみ上げてきた。
……じゃあ自分は、誠実っていえるの?
ひどい返事を書かないため、3回深呼吸をする。

「それでも信じて。本当のことだから」
そうだ。立花さんが取引先の人なのは間違いない。
美也子だって「食事ぐらい浮気でも二股でもない」
って言っていたし。
そう思いながらも心のどこかで
「今のわたし逆切れしてない?」
という疑問が頭をもたげてくる。
でもわたしはたしかに、透に腹を立てている。
立花さんのことをあれこれ言う前に、
透は言うことも考えることもあるはずだ。

「浮気じゃないって言い切れるの?」
透からのメールに即「もちろん」と答えた。
すぐに返事はこない。
わたしは冷めたお茶を、ごくごくと飲み干す。
ワインの酔いが醒めてくると、怒りも同時に醒め、
今度は「ひょっとして、この関係はもう終わり?」
という恐怖心がじわじわと心を侵食してきた。
しばらくして、返事が来た。
「信じるよう努力するけれど、少し考えさせてくれ」
海棠瑞希(27)
オフィス家具メーカーの営業事務職。趣味はフラワーアレンジメント。
山野 透(29)
大手商社のシステム部に勤務。上司が起業した会社に転職を決意。
立花貴史(31)
医療器具販売会社の経営陣。かなりの美形。
白石由美(25)
瑞希の後輩で同じ会社の営業事務職。
赤羽美也子(27)
フラワーアレンジメントの教室で知り合った友人。
大島洋幸(38)
瑞希の課の上司。瑞希の働きぶりを頼もしく思っている。
山野美代子(56)
透の母。今回の透の起業は寝耳に水で非常にうろたえている。

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