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25話 おひとり?


タクシーは5分ほど走って、ある店の前で止まった。
降りると、ごく普通の洋食レストランが目の前にある。
「若い女の子向きの店じゃないけど」
立花さんはドアを開け、わたしを先に中に入れてくれた。
「いらっしゃいませ。お待ちしておりました」
「今日も、お世話になります」
立花さんはお店の人と、かなり親しそうだ。
案内されたテーブルは白いクロスに赤いバラの一輪挿し。
しばらくすると、スパークリングワインが運ばれた。
「乾杯!」
おいしい。注意しないと飲みすぎてしまう。

で、何を話そう……と緊張しかけた時、
立花さんが「さて!」と少し大きな声で言った。
「質問がたくさんあるけど、まず聞きにくいことから。
「ぼくは31歳だけど、ぼくといくつ違いですか」
「4つです」
上手い。これならすんなり年齢が言える。
「趣味は?」
「フラワーアレンジメントです。水曜に教室があります」
他にも好きな映画や本、高校時代の部活などを聞かれた。
「それで、恋人はいますか?」
「……はい、一応います」
しまった。勢いに乗って、つい本当のことを……。
「そっか。それでも今日、来てくれたんだ」
立花さんは、うれしそうに金色のワインを飲み干した。
海棠瑞希(27)
オフィス家具メーカーの営業事務職。趣味はフラワーアレンジメント。
山野 透(29)
大手商社のシステム部に勤務。上司が起業した会社に転職を決意。
立花貴史(31)
医療器具販売会社の経営陣。かなりの美形。
白石由美(25)
瑞希の後輩で同じ会社の営業事務職。
赤羽美也子(27)
フラワーアレンジメントの教室で知り合った友人。
大島洋幸(38)
瑞希の課の上司。瑞希の働きぶりを頼もしく思っている。
山野美代子(56)
透の母。今回の透の起業は寝耳に水で非常にうろたえている。

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