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23話 うらやましいな


事実を指摘されて、胸がズキンと痛んだ。
そうだ。透との結婚は“絶対”なんかじゃない。
「そうなればいいな」ぐらいの、曖昧な夢だ。
その夢が現実になるかどうかは、おたがいの努力次第。
なのに透は、ひとりで転職を決めてしまった……。

「そうだよね。取引先の人と食事に行くくらい。
わたし少し、堅苦しく考えすぎたかも」
「そうそう。別に透さんに話さなければいいんだし、
瑞希だって、仕事の一環ぐらいに考えればいいよ」
「うん、確かに。仕事に関係ないわけじゃないし」
そういうと美也子はニコッと笑った。
「じゃあ、わたしはこれから慎也に会うんで」
美也子はトマトゼリーの代金をテーブルに置くと、
天使のような微笑を残し、店を出て行った。

うらやましいな……。
有名な雑貨店に勤める美也子は、いつか慎也さんと、
2人でお店を持つのが“目標”なのだそうだ。
フラワーアレンジメントの教室も、お店のため。
「夢じゃないから。具体的に目指してるから」
そういった美也子の、揺るぎのない強さが好きだ。

それに引き換え、わたしと透の未来は儚い。
わたしは大きなため息をひとつつき、
アイスティーのストローに口をつけた。
海棠瑞希(27)
オフィス家具メーカーの営業事務職。趣味はフラワーアレンジメント。
山野 透(29)
大手商社のシステム部に勤務。上司が起業した会社に転職を決意。
立花貴史(31)
医療器具販売会社の経営陣。かなりの美形。
白石由美(25)
瑞希の後輩で同じ会社の営業事務職。
赤羽美也子(27)
フラワーアレンジメントの教室で知り合った友人。
大島洋幸(38)
瑞希の課の上司。瑞希の働きぶりを頼もしく思っている。
山野美代子(56)
透の母。今回の透の起業は寝耳に水で非常にうろたえている。

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