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22話 キープしなくちゃ


「えっ、終わったら詳しく聞かせて。絶対に!」
水曜日、フラワーアレンジメント教室で、
あじさいの枝を花器にさしながら、
美也子はひそひそと、でも興奮しながら言う。
取引先の専務……立花さんから食事に誘われた話を
「後で聞いてほしいことがある」と相談したのだ。

ラベンダー色をしたあじさいは花房が重く、
いけるのに、バランスをとるのがむずかしい。
立花さんからの誘いも、同じような感覚かも。
会うことも、会ってからどうしたいかも、
ひとりで考えると、ぐるぐると思い迷ってしまう。

そして教室が終わった後、
上の階のレストランで、わたしはキノコのパスタ、
美也子はトマトゼリーを食べながら、
先日、課長クレーム処理にでかけ、
専務の立花さんに誘われた件を、順番に話す。
美也子は断言した。
「それは絶対に行かなきゃ!」
「でも、そうしたら浮気とか二股になるんじゃない?」
おそるおそる聞いてみると、またもや断言された。

「ならない。食事ぐらい、浮気でも二股でもない。
それに透さんとの結婚って“絶対”じゃないでしょ?
保険をかけたり、代役をキープして何が悪いの」
海棠瑞希(27)
オフィス家具メーカーの営業事務職。趣味はフラワーアレンジメント。
山野 透(29)
大手商社のシステム部に勤務。上司が起業した会社に転職を決意。
立花貴史(31)
医療器具販売会社の経営陣。かなりの美形。
白石由美(25)
瑞希の後輩で同じ会社の営業事務職。
赤羽美也子(27)
フラワーアレンジメントの教室で知り合った友人。
大島洋幸(38)
瑞希の課の上司。瑞希の働きぶりを頼もしく思っている。
山野美代子(56)
透の母。今回の透の起業は寝耳に水で非常にうろたえている。

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