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20話 会いたくないの?


「海棠さん、何かいいことあったんですか?」
受話器を置くと、後輩の白石さんがすぐに聞いてきた。

「うん、立花さんだったから、なんだかうれしくて」
「えー、わたしはあの人、少し苦手なんですけど」
「会ったら、びっくりするくらいの美形なのに?」
「あ、それじゃあテンション上がりますよね」

あぶない。白石さんは勘がいいから注意しなきゃ。
だけど、ホッと一息ついたところで、
わたしはたいへんなことを忘れていたのに気づいた。

もしこれから先、透から謝りのメールが来て、
またいつもの週末のように「会いたい」といわれたら、
どうしよう……今度断ったら、本当に破局かも。

……と思っていたら、その日の晩、
本当にその透からメールが来てしまった。
「今週末は、引継ぎが忙しく土曜も出勤が決定。
日曜も新しく入る会社の人に会いに行く。
デートはムリなのでキャンセルでよろしく」

用件だけの、短いメールだ。何だか、
週末の予定でやきもきした自分がバカみたいで、
急に腹がたってきた。
「わかった。でももしこれからも会いたくないのなら、
はっきりいってくれても、かまわないから」
海棠瑞希(27)
オフィス家具メーカーの営業事務職。趣味はフラワーアレンジメント。
山野 透(29)
大手商社のシステム部に勤務。上司が起業した会社に転職を決意。
立花貴史(31)
医療器具販売会社の経営陣。かなりの美形。
白石由美(25)
瑞希の後輩で同じ会社の営業事務職。
赤羽美也子(27)
フラワーアレンジメントの教室で知り合った友人。
大島洋幸(38)
瑞希の課の上司。瑞希の働きぶりを頼もしく思っている。
山野美代子(56)
透の母。今回の透の起業は寝耳に水で非常にうろたえている。

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