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15話 理由を聞かせて


「ただいまー! いやー、まいっちゃった。
引継ぎがなかなか上手くいかなくてヘトヘト」

透が帰ってきたのは、わたしが来てから、
2時間以上たってからだった。
1本ぐらいメールを入れてくれてもいいのに
……と思ったけれど怒れない。
ドアを開けたら、彼の満面の笑顔があったからだ。
「瑞希、もうすぐ転職に成功しそうだよ」
「そう……おめでとう!」
わたしもできるだけ、笑顔を作っていった。

冷めたデリを、レンジであたためなおす。
食卓にお皿を並べた時も、透は上機嫌だった。
でもわたしの頭の中には、美也子から聞いた
「倒産の可能性」や「危ない橋」という、
ネガティブな単語が舞い踊る。

でも本当いうと……彼をあまり怒らせたくない。
透は怒ると怖いし、わたしは揉め事が苦手だ。
それでも、もうすぐ食事が終わる、という頃に、
思い切って彼にたずねてみた。
「ねえ、でもなんで透は、転職を決心する前に、
わたしに事前に相談してくれなかったの?」

すると彼の顔色が、みるみる変わった。
海棠瑞希(27)
オフィス家具メーカーの営業事務職。趣味はフラワーアレンジメント。
山野 透(29)
大手商社のシステム部に勤務。上司が起業した会社に転職を決意。
立花貴史(31)
医療器具販売会社の経営陣。かなりの美形。
白石由美(25)
瑞希の後輩で同じ会社の営業事務職。
赤羽美也子(27)
フラワーアレンジメントの教室で知り合った友人。
大島洋幸(38)
瑞希の課の上司。瑞希の働きぶりを頼もしく思っている。
山野美代子(56)
透の母。今回の透の起業は寝耳に水で非常にうろたえている。

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