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12話 それは止めなきゃ


「『倒産の危険性』なんて大げさじゃない?」
わたしは自分を落ち着かせるためにも、
ゆっくりした話し方で、美也子に聞く。

「大げさじゃないよ。できたばかりのベンチャー企業は、
起業して1年で約3割、10年で7割以上が消えちゃうらしいよ 」
「え、そんなに……」
ふいにお店の照明がふわりと明るさを下げたように、
落ち着かない気持ちになった。
美也子はいつか自分の店を持つ気で、よく勉強している。
彼女は海鮮丼のマグロをおいしそうに食べ終えると、
にっこりと笑いながらも、少し眉を寄せていう。

「透さんは超一流の大手商社にお勤めだから、
わたしみたいな零細企業勤めの、
将来性の見えづらい危なっかしさがわかってないと思う」

「えー、美也子の勤める雑貨店は、
ファンの多い全国展開のチェーン店じゃない?」

「雑貨店の経営なんて、けっこう綱渡りなの。
在庫がはけなくなったら、すぐ赤字だし。
それに大会社にいるとわからないけれど、会社の規模で、
福利厚生や、場合によっては給与もかなり違うしね。
転職した後に『しまった!』って思っても遅いよ」
海棠瑞希(27)
オフィス家具メーカーの営業事務職。趣味はフラワーアレンジメント。
山野 透(29)
大手商社のシステム部に勤務。上司が起業した会社に転職を決意。
立花貴史(31)
医療器具販売会社の経営陣。かなりの美形。
白石由美(25)
瑞希の後輩で同じ会社の営業事務職。
赤羽美也子(27)
フラワーアレンジメントの教室で知り合った友人。
大島洋幸(38)
瑞希の課の上司。瑞希の働きぶりを頼もしく思っている。
山野美代子(56)
透の母。今回の透の起業は寝耳に水で非常にうろたえている。

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