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11話 花と友と驚きと


立花さんに会ってから2日後の水曜は、ノー残業デー。
会社が終わると、フラワーアレンジメント教室へ急いだ。
デパートの中の、ちょっと古風なカルチャースクールだ。
6人というこじんまりした規模が、自分には合っている。

ここでは、赤羽美也子という気の合う友だちもできた。
チェーンの有名雑貨店で販売員をしていて、
いつかは自分の店を持つのが夢という、元気なコだ。

「瑞希、おつかれー」
手のひらをパチンと合わせて、挨拶。
先生が厳しい方なので、授業中、私語はできないが、
美也子と一緒だと、ついおしゃべりしたくなって困る。
その日のレッスンも、神妙な顔で、
ベビーピンクの華やかなバラを扱いながら、
透のこと、立花さんのことを話したくて本当に困った。

レッスン後、デパートの特選食堂街で海鮮丼を食べながら、
さっそく美也子に「透がベンチャーに転職」の話をする。

「えーっ、ベンチャーへの転職なんて止めたほうがいいよ!」
「そうかな……やっぱり甘くないかな?」
「そりゃもう。透さんは、ずっと大企業にお勤めだから、
会社の倒産の危険性とかピンと来ないんだと思うよ」
「え……倒産の危険性?」
わたしは心を落ち着けるため、湯飲みのお茶を飲み干した。
海棠瑞希(27)
オフィス家具メーカーの営業事務職。趣味はフラワーアレンジメント。
山野 透(29)
大手商社のシステム部に勤務。上司が起業した会社に転職を決意。
立花貴史(31)
医療器具販売会社の経営陣。かなりの美形。
白石由美(25)
瑞希の後輩で同じ会社の営業事務職。
赤羽美也子(27)
フラワーアレンジメントの教室で知り合った友人。
大島洋幸(38)
瑞希の課の上司。瑞希の働きぶりを頼もしく思っている。
山野美代子(56)
透の母。今回の透の起業は寝耳に水で非常にうろたえている。

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