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8話 ハッとするほど


うれしいはずの金曜日も、
クレーム処理に同行が決まっていると憂鬱だ。
特にわたしは「電話に出た女性社員の方も」と、
先方に指名されている。
何がいけなかったんだろう……思い当たらない。
出社後、不安をムリに笑顔で隠しながら、
課長や営業の三峰さんと会社の車に乗り込む。

立花商事は医療器具の販売やリースの会社だ。
受付を済ませ、緊張して待っていると、
ドアの向こうの大きな区割りの中では
ウチの会社の家具が方々で使われていた。

テーブルを囲み数人で打ち合わせをする人たち、
カウンターをはさんで、資料に見入る人たち、
そうした姿に、ああここの会社はお得意様なのだ、
とうれしくなる。伝票上で知ってはいたけれど、
この光景には素直に感動した。

やがて品のいいスーツを着た長身の男性が、
こちらに近づいてきた。
「お忙しいところ、お呼びだてしてすみません」
男性は、わたしにも名刺をくれた。
「株式会社立花商事 専務取締役 立花貴史」
受け取って顔を上げると、一瞬ハッとするほど、
整った顔の男性がこちらを見つめていた。
海棠瑞希(27)
オフィス家具メーカーの営業事務職。趣味はフラワーアレンジメント。
山野 透(29)
大手商社のシステム部に勤務。上司が起業した会社に転職を決意。
立花貴史(31)
医療器具販売会社の経営陣。かなりの美形。
白石由美(25)
瑞希の後輩で同じ会社の営業事務職。
赤羽美也子(27)
フラワーアレンジメントの教室で知り合った友人。
大島洋幸(38)
瑞希の課の上司。瑞希の働きぶりを頼もしく思っている。
山野美代子(56)
透の母。今回の透の起業は寝耳に水で非常にうろたえている。

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