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4話 オレを信じて


乾杯したシャンパンは、きりりと上品な甘さが心地よい。
透はお腹が空いているらしくよく食べ、またよく語った。

「新しい会社は、辞めた上司が起業した会社なんだ。
規模はそれこそ、今の会社の何千分の一だけれど、
自分の裁量で動けるし、仕事の仕方もそれほどは違わない」

わたしは「よかったね」と微笑んだけど、
規模は今の会社の何千分の一……というと、
それって、すごく小さい会社ってことじゃない?

「オレ、結婚相手は瑞希以外に考えられない」

前に言った彼の言葉を、わたしは無期限延期可能な
一種のプロポーズだと思っていたのに……。
こんなに急に決まった、小さな会社への、透の転職。
ふたりの未来は、いったいどうなっちゃうんだろう?
考えると怖くなる疑問がいくつも頭をよぎる。

「オレももう、会社の早期退職制度に申し込んだし。
もう、後には引けないんだ」

「じゃあ、がんばってね」といったが、笑顔が出ない。
「大丈夫だって。オレを信じてよ」
透の笑顔はあくまで明るかったけれど、
わたしの不安を拭い去ることはできなかった。
海棠瑞希(27)
オフィス家具メーカーの営業事務職。趣味はフラワーアレンジメント。
山野 透(29)
大手商社のシステム部に勤務。上司が起業した会社に転職を決意。
立花貴史(31)
医療器具販売会社の経営陣。かなりの美形。
白石由美(25)
瑞希の後輩で同じ会社の営業事務職。
赤羽美也子(27)
フラワーアレンジメントの教室で知り合った友人。
大島洋幸(38)
瑞希の課の上司。瑞希の働きぶりを頼もしく思っている。
山野美代子(56)
透の母。今回の透の起業は寝耳に水で非常にうろたえている。

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