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雪よりも白い心で-12

「お疲れ様。じゃ、考えておいてね」
帰りがけ、まるで業務の確認のように、
坂口さんは告白の念押しをして、帰っていった。

まったく相変わらずな人だ……でも考えてみると、
今回だけじゃなく、彼には仕事でも、
ベストのタイミングで助けられている気がする。

禁煙……成功するんだろうか?
その後、そう思いながら、平凡な毎日が2カ月続いた。
やがて空気が暖かく緩み、桜が咲き始め、
営業所では、恒例のお花見が開かれる。

昭和ノリの上司や先輩方は勝手にガンガン飲み、
やがてカラオケなしで、歌など歌い始めた。
わたしと坂口さんは、そのノリに付き合いきれていない。

「あれ……タバコ吸わないの?」
「うん。あれからぜんぜん吸ってない」

そして坂口さんは、また無言になった
……けど、あ、耳が真っ赤だ。
「じゃあ、ぼちぼち食事にでも行きますか」

わたしには声もなくうなづく彼が、いつの間にか、
前よりとても、愛おしく見えるようになっていた。

(おわり)

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