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61話 君のそばに


杏の家に遊びにいってから一週間が過ぎた。
少し前までは橋場さんともう一度、なんて考えたけれど、
平気で嘘をつく彼とは、やはり連絡をとる気にもならない。
坂崎くんとも、挨拶程度のメールしか交わしていない。
プロポーズを保留にしたことで、気まずいムードが流れている。
でも後悔はしていない。たとえ結婚できても、
それだけで解決する人生の問題は、ほとんどないのだ。
逆に頼りないパートナーを選んでしまったら、
かえって人生の荷物が増えるだけのような気がする。
彼の気持ちはうれしいけれど。
気持ちだけでは将来は決められない。

そんなことを考えていたら、
お風呂の脇に置いた防水の携帯が点滅した。
あ、坂崎くんだ。
同居結婚には前向きになれないけれど、
彼とは別れるつもりはない。やっぱり好きなのだ。
「もしもし、今大丈夫?」
「うん、平気」
「ぼく、来年度から東京に転勤が決まったんだ。
転勤願いを出したら、驚くほどすんなり通ってね。
これからは、さくらちゃんのそばで暮らせると思う」
「すごい、そうしたら毎週会えちゃうね!」

これから、もっと坂崎くんに会える。
そのことが単純に、でもとてもうれしかった。
山際さくら(27)
食品メーカーで一般職勤務。がんばり屋でしっかり者。
美浜 杏(27)
さくらの高校時代の友人で、損害保険会社に勤務。
橋場健斗(31)
製薬会社に営業職で勤めている。仕事にとても積極的。
坂崎 新(27)
さくらの高校時代の同級生で、地元の航空会社に勤務。
朋納寧々(23)
さくらの会社の後輩。かわいい外見の上、親が裕福なお嬢様。

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