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60話 進路決定


結局、坂崎くんのプロポーズは
「機が熟したらいつか」という話に落ち着いた。
彼が「指輪は返さないで」と頼んだからでもある。
今は……正直、複雑な気持ちだ。
確かにプロポーズはうれしいけれど、
結婚できればどんな生活でもいいわけじゃない。
わたしはその翌週、出産のお祝いもかねて、
おめでた婚をした友人、杏の元をたずねた。
生まれたての赤ちゃんは女の子で、
すべすべの頬と黒目がちな瞳が愛らしい。

「でしょう! プロポーズされたからって、
無条件で喜べるわけないじゃない?
でも男って『オレと一緒ならアイツは絶対幸せなはず』
とか考えてるのよ。まったく何様のつもりよ」
白い産着の、かわいい赤ちゃんを抱いているのに、
杏は相変わらずの毒舌だ。

「そうね。わたし来年度のOJT研究プロジェクト、
入れてもらえるよう申請しようと思って」
「そうそう。男に頼るより自分がしっかりした方が早い」

杏の家からの帰り、ふと思った。
結婚を考えないなら、橋場さんはどうだろう?
別に寧々ちゃんから盗ろうというわけじゃない。
でも将来を考えない軽い交際が、ふいにステキに見えた。
山際さくら(27)
食品メーカーで一般職勤務。がんばり屋でしっかり者。
美浜 杏(27)
さくらの高校時代の友人で、損害保険会社に勤務。
橋場健斗(31)
製薬会社に営業職で勤めている。仕事にとても積極的。
坂崎 新(27)
さくらの高校時代の同級生で、地元の航空会社に勤務。
朋納寧々(23)
さくらの会社の後輩。かわいい外見の上、親が裕福なお嬢様。

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