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59話 ためらう理由


「さくらちゃん。ぼくが言うのもなんだけど、
ウチの家族って、本当にイイヤツばかりなんだ。
嫁姑の争いなんて絶対起こらないから」

ああ。少なくともこの発言で、
坂崎くんがすごく能天気なのは、わかった気がする。

「ずっと一緒に暮らした歴史があるから、そう思うの。
逆に、坂崎くんがわたしの家族と暮らしたらって考えて。
やっぱり気を遣っての生活になると思う。それと同じ」
「うーん……そう、かもね」
彼は今やっとその現実に気づいたように、
小刻みにうなづきながら、いろいろ考えているようだった。

「それにわたし東京を出ると、仕事も収入も人間関係も、
みんななくなっちゃうから、今すぐYesって言えない
……あと、お金の問題もあるし」

「収入なら、さくらちゃん1人ぐらい十分養えるよ!」
「子どもが生まれても大丈夫? ご実家のスペースとか平気?」
「ああ……弟2人、派遣にアルバイトだもんな。
子どもが大きくなったら、家を出ないといけないかも」

坂崎くんは確かにわたしとの結婚を考えてくれていた。
でもそれは、おとぎ話みたいに現実感のない結婚。
2人で一緒に暮らす、現実の生活じゃないみたいだ。
山際さくら(27)
食品メーカーで一般職勤務。がんばり屋でしっかり者。
美浜 杏(27)
さくらの高校時代の友人で、損害保険会社に勤務。
橋場健斗(31)
製薬会社に営業職で勤めている。仕事にとても積極的。
坂崎 新(27)
さくらの高校時代の同級生で、地元の航空会社に勤務。
朋納寧々(23)
さくらの会社の後輩。かわいい外見の上、親が裕福なお嬢様。

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