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53話 日常の始まりに


1月5日の仕事始めは、会議資料の作成からだ。
といっても昨年のうちに作ったデータを印刷し、
寧々ちゃんと一緒に端からホチキスで綴じるだけ。

作業中わたしは、同窓会の様子
……27歳になった同窓生たちや、シャンデリア、
着ていた和服の鮮やかな柄などが、
目の前に何度もフラッシュバックしていた。

そして、坂崎くんの告白。
彼は高校の時ずっとわたしが好きだったと言い、
東京出張の時には、また会って欲しいと言った。
「ふう……」
まるで自分がしたように、大きくため息が聞こえて、
ドキッとしたが、実際に吐いたのは寧々ちゃんだった。
「どうしたの?」
「年末年始は、彼と遊んでばかりだったせいか、
今日は調子が出なくって。いけませんよね」
「ふふふ。相手の方たしか、橋場さんだっけ?」
「ええ。31歳だからオジサンかと思ったんですが、
心は意外に若くて、一緒にいてすごく楽しいんです」

不思議だ。寧々ちゃんから橋場さんの話を聞いても、
まるで嫉妬心が湧かない。
それよりも、また会いたいと言った坂崎くんの顔が、
今も頭の中を、ふっとかすめていった。
山際さくら(27)
食品メーカーで一般職勤務。がんばり屋でしっかり者。
美浜 杏(27)
さくらの高校時代の友人で、損害保険会社に勤務。
橋場健斗(31)
製薬会社に営業職で勤めている。仕事にとても積極的。
坂崎 新(27)
さくらの高校時代の同級生で、地元の航空会社に勤務。
朋納寧々(23)
さくらの会社の後輩。かわいい外見の上、親が裕福なお嬢様。

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