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48話 母の待つ家


「ただいま」
実家に帰ると、玄関口に母が飛んできた。
「おかえり。今、車で来た人は誰?」
「同級生だった坂崎くん。駅から送ってもらったの。
車の中で、同窓会の打ち合わせをしてたんだけど」
「いやねあなた。
こういう時は、お茶の一杯もごちそうしなくちゃ」
母はさも未練ありげに、車の去った方へ首をよじり、
見えるはずのない車を見ようとする。

「そうね。今度はそうする」
「さ、ケーキ買ってあるから食べなさい」
もしできるなら、ケーキの用意より、
わたしの行動を黙って見守ってくれる方が、
うれしいんだけどな……でもムリだよね。
わたしは小さい頃からなじんだ味のケーキを、
母のグチに付き合いながらゆっくり食べた。

その後ホテルに電話をして、
もう一回り大きな会場に変更できるか交渉した。
が、その日はもう別に新年会が入っているとのこと。
仕方がなく、小さめの部屋をもう一つ押さえた。
後でみんなから文句が出るかな。
そう……結婚したり子どもを産んだり。
わたしと違う人生を歩んでいる同窓生は、
今、どんな風に暮らしているんだろう?
山際さくら(27)
食品メーカーで一般職勤務。がんばり屋でしっかり者。
美浜 杏(27)
さくらの高校時代の友人で、損害保険会社に勤務。
橋場健斗(31)
製薬会社に営業職で勤めている。仕事にとても積極的。
坂崎 新(27)
さくらの高校時代の同級生で、地元の航空会社に勤務。
朋納寧々(23)
さくらの会社の後輩。かわいい外見の上、親が裕福なお嬢様。

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