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39話 友人の幸せ


「本日は皆様、お忙しいところお集まりいただき、
誠にありがとうございました」

故郷に帰った次の週末は、もう杏の結婚式。
彼女は都内の小さな教会で式を挙げる。
お父さんのリードでヴァージンロードを歩く杏は、
おなかもそこまで目立たず、
華やかなウエディングドレスがよく似合った。

衣擦れの音とともに、杏は凛とした佇まいで、
わたしの座る席の横を通りすぎていった。
ブーケを持つ腕も、姿勢のよい背中も、
いつもの杏なのに、別人のようにきれいだ。

やがて杏は、神様の前で新郎と永遠の愛を誓う。
でも、35歳の新郎が年よりも老けて見えるせいで、
ふたりはまるで、お姫様と従者のよう。
「いいなあ井上、若くてきれいな嫁さんもらって」
前列に座った新郎の友人が、ため息を漏らした。

誓いのキスが終わると牧師様は結婚の成立を告げ、
結婚行進曲が流れる中、杏たちは腕を組んで退場する。
その笑顔は今までのどんな時の彼女よりステキだった。

「おめでとう、本当におめでとう、杏」
わたしは彼女に、心からの拍手を送った。
山際さくら(27)
食品メーカーで一般職勤務。がんばり屋でしっかり者。
美浜 杏(27)
さくらの高校時代の友人で、損害保険会社に勤務。
橋場健斗(31)
製薬会社に営業職で勤めている。仕事にとても積極的。
坂崎 新(27)
さくらの高校時代の同級生で、地元の航空会社に勤務。
朋納寧々(23)
さくらの会社の後輩。かわいい外見の上、親が裕福なお嬢様。

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