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32話 女の甲斐性


「確かに、杏の結婚はおめでたいと思うけど、
おめでた婚って甲斐性? その前に甲斐性って何?」
話の雲行きがだんだん怪しくなってきた。
母は何かと、結婚と子どもを話題にしたがる。

「おめでた婚は十分甲斐性よ。少なくとも、
美浜さんには、旦那さんと赤ちゃんができたけど、
あんたには、恋人もいないんでしょ?」

「失礼ね、いれば誰でもいいわけ!」
思わず大声を出してしまった。
いくら親でも、ここまで言われると腹が立つ。

「べつにいいのよ。あんたにとって仕事が生きがいで、
一生ひとりで生きて行くていく覚悟があるなら。
でも何の覚悟もなく、流されてるだけなら、
甲斐性なしって言われても、仕方ないでしょ」
「もう何とでも好きにいって。
ともかく金曜の夜に帰るから。夕飯は何でもいい」
「ムリに東京にいないで、いい加減帰って来なさい」

携帯を切るとため息が出た。ああ、疲れた。
わたしはただ懸命に勉強して就職活動をして、
働いて、できるだけのことをしてきただけなのに。
いつも母の価値観だけで、話が進んでしまう。
帰っていったい、どんな暮らしをしろというのか。
山際さくら(27)
食品メーカーで一般職勤務。がんばり屋でしっかり者。
美浜 杏(27)
さくらの高校時代の友人で、損害保険会社に勤務。
橋場健斗(31)
製薬会社に営業職で勤めている。仕事にとても積極的。
坂崎 新(27)
さくらの高校時代の同級生で、地元の航空会社に勤務。
朋納寧々(23)
さくらの会社の後輩。かわいい外見の上、親が裕福なお嬢様。

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