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28話 誰?


もうすぐ地上につく観覧車の中では
しばらく物寂しい沈黙が続いた。
「次も、また会ってくれる?」
「うん、もちろん」
橋場さんがそういったとたん、気持ちが華やいだ。
やだな、単に不安になっただけなんだ。
地上に降りた後も、ふわふわした感じが抜けず、
どこか夢の中にいるようだった。

そんな中、不意に橋場さんの携帯が鳴った。
彼はくるりと、わたしに背を向けた。
「はい、はいそうです橋場です。あっ、はいはい!
はい、じゃあ今から行きます。了解です」

再びこちらへくるりと向き直った橋場さんは、
携帯をはさんだまま、両手を合わせてわたしを拝む。
「ごめん! 今、上司がどうしても来てくれって」
「仕事じゃあ、しょうがないね」

心のどこかで「本当に仕事の電話?」
と疑問がわいたけど、まさか嘘なはずはない。
「また連絡する。ごめんね!」
夢のような心地を残して、彼は去っていく。

振り返ると観覧車は夜をゆっくり回りながら、
光の華のようなネオンを、身に纏っていた。
山際さくら(27)
食品メーカーで一般職勤務。がんばり屋でしっかり者。
美浜 杏(27)
さくらの高校時代の友人で、損害保険会社に勤務。
橋場健斗(31)
製薬会社に営業職で勤めている。仕事にとても積極的。
坂崎 新(27)
さくらの高校時代の同級生で、地元の航空会社に勤務。
朋納寧々(23)
さくらの会社の後輩。かわいい外見の上、親が裕福なお嬢様。

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