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1話 あなたを待ちながら


夕暮れの品川駅は人が川のように流れていく。
わたしは早足で行き過ぎる人波に、彼の姿を探す。
「遅いなあ」
メールの着信と時間の確認のため、
もう何度も携帯電話を開いてみたけれど、
知らせは何もない。待ち合わせ時間は10分過ぎ。

彼は決して時間にルーズな人ではない。
どちらかというと、早めに来過ぎるタイプ。
おかしいなと彼を探しながら、心では後ろから
「お待たせ、さくら」の声がかかるのを、待っている。

でも思えばこの半年間、彼にはずっとこんな風に、
ヤキモキさせられ通しだったかも。
過去を振り返ると唇に「ふふふっ」と笑いが漏れる。

そう。あれは、やっと暑さの抜けた10月の上旬だった。
仕事が終わっていつも通り帰ろうとすると、
課長が、わたしを応接室に呼んだ。

「いきなりだけど山際さん、
来年度から、OJT研究プロジェクトに入る気ない?」

「えっ、あのプロジェクト、
仕事のできる人ばかりですよね。
とてもわたしに、務まるとは思えません」
山際さくら(27)
食品メーカーで一般職勤務。がんばり屋でしっかり者。
美浜 杏(27)
さくらの高校時代の友人で、損害保険会社に勤務。
橋場健斗(31)
製薬会社に営業職で勤めている。仕事にとても積極的。
坂崎 新(27)
さくらの高校時代の同級生で、地元の航空会社に勤務。
朋納寧々(23)
さくらの会社の後輩。かわいい外見の上、親が裕福なお嬢様。

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