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ありのままを受け止めて-10

帰りの電車の中では、ため息しか出なかった。

糀谷さんには「急すぎて、今は何とも」というと、
糀谷さんの方が「そうですよね、申し訳なかったです」
と平謝りに謝って、そして店を出たところで別れた。

正直、恋愛は苦手だ。
中学の頃から「付き合って欲しい」といわれ、
「じゃあ」と何となく付き合うのだけれど、
どの人も早くて1カ月、遅くて半年ほどで別れるか、
何となく友だちっぽくなって、フェイドアウトになる。

そしてみんな一様にいう。
「境さんは、想像していたのとぜんぜん違った」と。
いやわたしは、柳さんの言うようにガサツだし、
理屈っぽいし、女らしいしぐさとかファッションも苦手だ。

人からはよく、容姿がよいといわれるけれど、
自分にとってそれは、いい結果を招いていない。

そうして憂鬱な土曜日と日曜日を越えて、月曜日。
ガヤガヤした社員食堂で、日替わり麺を食べながら、
わたしはまた、仕事用の資料を読んでいた。
糀谷さんはフロアにはいないようだ。

その時、しみじみと寂しいと思った。

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