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もう、まいったな-9

「やめて!」
浩一に向けて大声で叫んだ後は、夢中だった。
気が付くとわたしはタックルをするように、
彼の下半身に飛びつき、通路側に押し倒していた。

「オレ……何やってんだろ」
浩一自身が自分に驚いて、呆然としていた。
「ね、部屋に戻ろう」
肩を抱くようにして呼びかけると、彼はうなづいて、
わたしにもたれるように歩き出す。 なのに次の日、深夜にまた部屋を抜け出してしまう。
2日目は幸い、非常階段に立った時点で、
部屋に連れ戻すことができたけれど。
階段はエレベーターホールの奥で、深夜少々騒いでも、
誰も起きあがって、外まで出てきてはくれない。

わたしは幼稚だと知りつつも、玩具屋で手錠を買い、
寝る前に自分の手首を浩一の手首につないだ。
当然、彼は怒った。

「何バカなことしてんだよ」
「バカはどっちよ! どっちがバカなのよ!」

結局、わたしは気合で勝ち、
浩一は手錠をつけたまま、無言で布団に入った。

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