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もう、まいったな-8

「ねえ、ちゃんと行きなよ心療内科。仕事先では、
薬の袋とか変えれば、サプリと見分けつかないよ」
「いやだよ。バレたら、それこそ地獄だ」

そういって顔をついっと顔をそむけたまま、
浩一は一言も口をきかなくなった。
一緒に暮らし始めて、まだ3日目。
彼は日に日に、口数が少なくなっていく。

憂鬱な気持ちが続いているのか、
それともわたしが突然転がり込んできたので、
ふてくされているのか……どちらかわからない。 わたし自身もこの家に強引に来たのが、
よかったのか悪かったのか、わからなくなってきた。

そうしてある晩、ふと目覚めると、
隣の布団に寝ているはずの浩一が見当たらない。
トイレかな、と思ったけれど、待っても戻ってこない。
怖くなって、パジャマの下だけジーンズに履き替え、
あわてて部屋の外に探しにでかけた。

するとマンションの非常階段で、
風に吹かれながら、遠くを見つめる浩一を見つけた。
すごく、よくない感じがして、近寄ろうとすると、
彼は金属製の手すりにグイッと身を乗り出した。

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