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結婚しちゃダメ!?-2

「何ですって、浩美!」
ママの悲鳴のような大声に、思わず眠気も吹き飛び、
ついでに手からトーストも落としそうになる。

しまった。つい本当のことをいってしまった。

「あなた、無職の人と結婚なんて、冗談じゃありませんよ。
 これは向こう様の落ち度ですからね。
 お式ができないなら、慰謝料も請求しないと」

おそるおそる顔を上げると、ママの顔は般若のようだ。

「ちょっと待って。リストラは博政くん一人じゃなくて、
 彼の部署全体が閉鎖で、所属する600人全員に、
 早期退職が勧められてるんだって」
  彼から聞かされた説明を、あわててまくし立てた。
でもママの表情も態度も、まるで変わらない。

「なら石にかじりついても、会社に残っていただかないと」

それが簡単にできるほど、彼の会社も、今の社会も、
甘くはないといいかけて、口をつぐんだ。
ママの時計は、昭和で止まっていて、
その針は、わたしの力ではピクリとも動かせない。

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