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41話 あれはもしや?


ああ、イヤな女だな。
自分の方がきれいって言われて、こんなにうれしいなんて。
だけど……まわりの人にもやさしいって言うんなら、
きっと一緒に働いてる女性なんだね。
わたしが会えない間も、ふたりは毎日一緒だったんだ。

拓海とはいつも通り、改札口で別れた。
あやうく「またね」と言いそうになり、次がないことに気づく。
「元気で」
「菜々子も」
なんてあっけない別れ。
6年の時の流れが、こんなにあっけないなんて。

人影の少ないホームに立つと、一段と寒さが身に沁みる。
涙が流れて頬を伝うと、そこがまた凍るようだ。

ふと視線を感じた気がして、向かいのホームを見る。
そこには髪を肩まで伸ばした、20代の女性がいた。
ベージュのツイードのコートを着て、
赤いチェックのマフラーをしたその女性に、
わたしはまさに今、じっと見ていたはずの視線を、
はずされたような気がする。
その女性はわたしよりも地味だけれど、
きっとわたしよりも、たくさんの人に好かれそうだ。

もしかすると……この人が拓海の彼女なんだろうか!?
水波菜々子(27)
学生時代に出会った拓海と遠距離恋愛中。仕事は携帯サイトの企画営業。
野田拓海(27)
地方に本社を持つ精密機械の部品製造会社勤務。本社に抜擢され転勤。
高村直樹(35)
菜々子の上司にあたる、営業課長。仕事にはとても厳しいが……。
小牧美恵子(24)
同業他社から菜々子の会社に転職してきた新人。
篠田修治(28)
大手精密機器会社の研究所に勤務。趣味はアート鑑賞。

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