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30話 軽いお誘い


「寒い。布団から出るのが本当にツライ!」
「昼食はコンビニの大盛りパスタにサラダ。意外に旨い」
「社内決裁のスピード、遅すぎ。
なんのために開発を急いでるのかわからない」
篠田さんからくるメールは、ごく短いものばかり。
内容も返事を返せそうなのもあるし、ムリなのもある。

「小牧、これどう思う?」
ランチの時間、向かいの席の小牧に携帯を見せると、
彼女はパスタをすすりながら、篠田さんのメールを見た。
「なんかツイッターみたいですね」
「それ名前は聞いてるけど、よく知らないんだ」
「ブログとチャットを足して2で割ったようなモンです。
まさに、このメールみたいな感じ」
「ふうん」
篠田さんからのこんなメールを毎日読み続けると、
彼が毎日何をしてどう思ったり考えたりする人なのか、
おぼろげながらわかったような気がしたし
日に日に確実に好感度が高まっていった。

そうしてある日、こんなメールが届いた。
「今週か来週の週末、お時間とれますか?
よかったら六本木の美術館に行きましょう。
YesかNoか、このメールには返事をください」
頭の隅を一瞬、拓海の笑顔がかすめる。
わたしは携帯を見つめた。すぐには返事が打てない。
水波菜々子(27)
学生時代に出会った拓海と遠距離恋愛中。仕事は携帯サイトの企画営業。
野田拓海(27)
地方に本社を持つ精密機械の部品製造会社勤務。本社に抜擢され転勤。
高村直樹(35)
菜々子の上司にあたる、営業課長。仕事にはとても厳しいが……。
小牧美恵子(24)
同業他社から菜々子の会社に転職してきた新人。
篠田修治(28)
大手精密機器会社の研究所に勤務。趣味はアート鑑賞。

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